「映画を評価する客観指標はあるのか。面白いとか綺麗とか、そういう主観評価ではなく」
「あるのかよ、そんな便利な指標」
「それがあるんだよ」
「なんだよそれは」
「長さ」
「上映時間は客観的な長さということだね」
「まあ微妙な解釈の違いはあるにせよ、何時間も狂ったりはしない」
「なぜ急にそんな話を?」
「最近ね、いろいろな映画をレンタルで見ていて思うのだが、やはり映画の長さは120分を超えると冗長で散漫な印象が出てくることが多い。もちろん、そんなものは1本1本違うので長くても面白い映画も短くてもつまらない映画もある。でも、映画が長すぎることは良くない兆候だと思って良いと思う」
「長いと印象が散漫になり、劇場側も回数を上映できなくて不利なのだね」
「もちろん、極端に短いことも問題があるのだがね。高い金を取ってたった10分で終わったらそれはそれで良くない」
「ヤマトの話に戻ってくれ」
「そうだな。簡単に上映時間をまとめてみよう」
- 復活篇 135分
- DC 123分
- SBヤマト 138分
- ヤマト2199 約13時間
- 追憶の航海 130分
- 星巡る方舟 112分
「君が提示した120分という基準に合格しているのは方舟だけか」
「ところが、これって30分番組の1エピソード、長くても前後編というボリューム感なのだよ。ヤマト2199の制作されざるエピソードという感じだ。それに112分は長すぎ」
「えー」
「そういう意味で、実は約13時間をたった130分にまとめた追憶の優秀さが光る。それから、もともと135分の映画を123分まで短くしたDC版の優秀さも光る。3分ぐらいはオマケとして、十分に合格と言って良い」
「じゃあ復活篇とSBヤマトの135分、138分はとう見る?」
「復活篇はメッツラーが2回第1艦橋に来るのがちょっと冗長感があるから、切れるところはあるだろう。それからSBヤマトも終盤やはり冗長なところはある。もうちょっと切れるような気がする。まあ、木村&黒木のラブラブをカットできるのかという問題はあるがね」
「ヤマト2199の約13時間は論外と……」
「あれは劇場で流す長さではない」
「1回だけなら好奇心で付き合うが、2回3回とできるものじゃないわけだね」
「柳の下のドジョウを狙った上映は多いけどな」
「まとめるとどうなる?」
「長さという点だけで見るとDC版と追憶は合格扱いで良いだろう。次点は復活篇(劇場公開版)とSBヤマト。【頑張りましょう】が方舟。評価対象外がヤマト2199」
「君の評価と同じランク付けってこと?」
「いや、必ずしもそうではなよ。個人評価通りではない」
「では、長さによる映画の評価は意味があったと思う?」
「一定の意味はあるが、絶対的な意味ではない。そんなところだろう。単に傾向が見えるだけで、結論にはならない」